舌下免疫療法

2018年9月4日

アレルゲン免疫療法とは アレルギーの原因であるアレルゲン(抗原)を少量から投与していくことで、体を
アレルゲンに慣らして 症状を軽くしたり、根本的な体質改善も期待できる治療法です。
皮下注射によるアレルゲン免疫療法はすでに50年以上前から行われており、有効性が確認されています。
筆者も大学病院小児科でアレルギー喘息班に属していた頃、数年間 上記療法の実施に従事しておりました。
舌下免疫療法はスギ花粉が H26年から ダニは H27年から保険適応となり、現在数万人の患者さんが受けています。
適応は12歳以上でしたが、本年6月 スギ舌下錠が認可され 5歳以上のお子さんも受けられるようになりました。
講習を受け登録を済ませた医師が治療、処方できます。先般登録を済ませましたので、9月からご希望のかたの
相談、治療をはじめます。

 

スギ花粉症の舌下免疫療法は 6-11月に開始します。
スギ花粉のシーズン(12-5月)には開始できません。
ダニの舌下免疫療法はいつからでも開始できます。

 

舌下免疫療法の対象

○ スギまたはダニが原因と思われる鼻炎があり、かつアレルゲン検査が陽性であるかた
○ 内服薬や点鼻薬で十分な効果が得られない、または副作用が強くて薬を減らしたかた
○ 対症療法ではなく根治につながり得る治療を希望するかた
○ 以下のかたは免疫療法が出来ません。
重い慢性病や不安定な喘息のあるかた。 歯科治療中のかた。
常用している薬の種類によっては、免疫療法が出来ないことがあります。

重要な注意点

○ 治療期間が3-5年と長期間にわたること
途中で中断すると効果が期待できません。再開は初回投与量からとなります。
効果が出るまで 3-数ヶ月以上必要です。普通 1年くらいして徐々に効果が出てきます。
3-5年続けると 中止後も3-5年効果が持続します。

○ 毎日1回忘れずに服用します。
認可から1年間は長期処方が出来ない規則のため、スギ舌下錠は2019年4月末までは2週間処方
となり 1x/2wの通院が必要です。スギ舌下液は4w処方が出来ますが、12歳以上に限られます。
ダニ舌下錠は4w処方可能で、5y以上のかたに処方できます。

 

○ 皮下注法と違い自宅で服用しますので、副反応の知識・対応を知っておく必要があります。
初回は院内で服用し最低30分間は院内で経過観察をします。
開始後 1ケ月くらいは、口の中や喉の刺激感、かゆみ、違和感や耳のかゆみなどの副反応が
みられることが多いですが殆ど軽快します。国内での重篤な副作用報告はありませんが、
海外ではアナフィラキシーの報告があります。

○ 有効率は70-80%くらいです
治癒、著効、有効と併せて 70-80% くらいの有効率です。
すべての患者さんに効果を示すわけではありません。
開始1年頃 効果判定します。

 

参考リンク トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ

http://www.torii-alg.jp/